浜口書庫

富江は

椿の王国がある。

活用方法の広がる椿

五島列島に数多く自生し、その歴史にも深く関わる椿。その椿から採取される椿油は昔から食用や美容、灯り用として五島の人々の生活に欠かせないものでした。現在では椿油を使用した石けんや化粧品のほか、椿から採取される”五島つばき酵母”を利用した焼酎、魚醤、ワイン、パン、日本酒の製造も行われています。その多岐に渡った商品展開は五島の地域創生に大きく関わり、経済の発展にも貢献しています。



五島ヤブつばき王国

富江町の山下地区には五島の椿株式会社が管理する五島ヤブつばき王国があります。椿にも種類がありますが、一般的に椿といえば日本固有の常緑樹であるヤブツバキのことを指します。五島ヤブつばき王国の面積は40,000平米(東京ドーム約1個分)にも及び、約10,000本もの椿が植 えられています。『椿を再発見し、そのすべてを活かす』というスローガンのもと、五島ヤブつばき王国では椿の実の採取だけではなく、椿の生育 や成分調査、新たな可能性を見出すべく様々な研究が行われています。



王国ができるまで

この広大な面積の「五島ヤブつばき王国」ですが、元々はうっそうと木の生い茂る雑木林でした。そこから椿以外の木を伐採し、新たな苗を植栽していった結果、今ではほぼヤブツバキだけが生息する王国となったのです。そしてなんと、この王国はたった一人の男性によって始められました。男性の名前は山口保(たもつ)さん。お仕事を定年退職されたあと椿農家となり、20年以上に渡ってひとりで椿の王国を作り続けました。まいにち畑に出かけ、椿と向き合い、試行錯誤していたといいます。その一方、ときには地域の人々と一緒に作業をしたり、椿の実の採取体験をおこなったり、あるときは焼き芋を振る舞ったりと周囲のみんなを喜ばせてきました。



意志を引き継いで

しかし初代国王の山口さんは2018年に椿農家を引退、そして2019年に他界されました。現在は、愛知から移住してきた志知慶紀さんがその意思を引き継ぎ、二代目国王として管理をしています。大学ではキノコの研究をし、海外では専門知識を生かしたボランティアも経験してきたそうです。志知さんは、王国内の椿の木の一本一本を社員と捉えています。まいにち畑に出向き、ひとりひとりの「社員」と会話をしています。花を咲かせるのが得意な社員、実をつけるのが得意な社員、生育の早い社員といったようにそれぞれの個性を見極め、大切に育て、研究しています。



王国を巡ってみよう

より深く椿や王国のことを知りたいと思う方は、事前にご予約をして志知さんと一緒に王国巡りをすることも可能です。王国内では初代国王の山口さんが植えたというみかんをいただいたり、メジロやジョウビタキといった鳥の姿を観察することができます。海が近く、林の中でありながら耳を澄ますと波の音も聞こえてきます。山口さんの意志は五島ヤブつばき王国とともに末長く語り継がれていくことでしょう。
※現在、五島ヤブつばき王国は五島の椿株式会社が所有・管理しています。見学をご希望される方は必ず事前に承諾をとって下さい。





▷▷五島ヤブつばき王国
  • 住所   :   長崎県五島市富江町山下五島ヤブつばき王国
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  • TEL   :   0959-76-3330
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  • インターネット購入   :   →五島の椿Webページ内へ